乃木オタ大学生の日記

2X歳、男。はだサマ新規。真夏さん、れんたん推しです(ロリコンではない) ラノベとかも読みます

乃木坂ロワイヤル 七瀬編 1

七瀬編1

「これから皆さんには殺し合いをしてもらいます」
どこかで聞いたことのあるようなセリフ。その一言が放たれたのは私達が通っている女子校の教室だった。

終業式の日に夏休みのスケジュール表が配られ、その中に登校日の文字を見つけみんながため息をついている中、私は気になる記述を見つけた。
(8/20は3-6のみ...?)
しかし、他のところを見ても他のクラスだけが登校する日はないようだ。そのことにクラスメイト達も気付き、徐々にざわつき始める。
「どうしてうちらだけ」「意味わかんない」
「はいはい、静かに」
そういって担任が説明し始める。
「うちのクラスだけ遅れてる科目があるから夏休みにやっちゃおうってことでこういうスケジュールになりました。もちろん進んでる科目もあるから、9月にはどこかで代休をとれると思います」
そう担任がいうと周りは納得したようで、おしゃべりを再開する。しかし、
(どの科目の先生からも授業が遅れてるなんて聞いたことない...それに進んでる科目があるならどうしてその時に遅れてる授業をやらないの?先生の都合がつかない?でも...)
と、私は納得できなかったが、隣の席の子に話しかけられてそんな疑問は流れていってしまった。

夏休みは学生にとっては基本的には楽しいものであるはずだが、私達受験生にとってはそうもいかない。勉強漬けの毎日が続き、気付けば例の3-6だけの登校日になっていた。
(あ、そういえば...)
休み前に感じた疑問を思い出したが、やっぱり大人の都合なのだろうと適当に納得し、幼馴染の高山一実と一緒に登校する。
一実とは家が隣同士。幼稚園の頃から小中高と今に至るまでずっと同じクラスで、いわゆる腐れ縁の幼馴染だ。
「勉強進んでる?私は数学がどうしても苦手でさ〜...」
「分かる!でもR大は英語の方が難しいから数学ばっかりに時間割いてられないよね」
などと受験生らしい会話をしながら学校に向かう。一実とは同じR大学を目指しているから対策などの情報も共有しやすい。
「でも今日はなにやるんだろうね?そんなに遅れてる科目あったかなぁ」
「いや、なかったと思う...だから何持って来ればいいか分からなくて筆記用具しか持ってないや」
「私も〜まあ学校に着けば分かるか」
などと話してる内に学校に着く。正門を通り、昇降口で上履きに履き替えて3階の教室に向かう。その途中、カメラがいくつも設置されてるのが目に留まった。
(防犯カメラ...?夏休み中に増設したのかな。それにしても多すぎる気が...)
しかし一実は気付かないようで、勉強の息抜きに見ていたドラマの話を熱く語っている。
「そこで初森の投手がさ...!」
「あ、教室着いたから一旦落ち着こ?」
苦笑いしながら熱くなった一実をなだめる。
教室に着くと私たち以外のクラスメイトはほとんど揃っていた。どうやら話に夢中になっていて歩くペースがだいぶ落ちていたようだ。
「一実と七瀬遅〜い」
入り口近くの席に座っているみなみが可愛く膨れる。
「ごめんごめん、でもまだセーフでしょ?」
笑いながら一実が言う。
「それにしてもみなみがちゃんと来るなんて意外だね〜」
「まあ来たくはなかったけど一応受験生だしね...それはみんなも同じでしょ」
確かに周りを見渡すと欠けている席が一つもない...いや
「麻衣は?」
「あ〜、なんかお母さんが急に倒れちゃって来られないみたい」
(麻衣以外は全員出席、か...)
そこでチャイムが鳴り、慌てて自分の席に着く。鞄からとりあえずペンケースとルーズリーフを取り出そうとしたところで異変に気付く。
(何、この匂い...?頭がぼーっとして...)
だけど気付いた時には周りを見渡す余力もなく、机に突っ伏して意識が闇に落ちていった。

「...きて、七瀬、起きて」
「...んん?」
顔を上げると、隣の席の美彩だった。
「あ、やっと起きた。もう、七瀬が一番最後だよ?」
だんだん意識が覚醒してくる。ここは学校で...そこでさっきの異臭を思い出す。
「そうだ!さっきのは何?ここにいたらまずいんじゃ...」
「七瀬、落ち着いて」
美彩が諭すように言う。
「七瀬が寝てる間にもう私たちは一通り騒いだんだ、さっきの異臭はなに?ってね。そして出ようとした。でも...」
「でも?」
「出られなかった」
美彩がドアを指差す。
「鍵が掛かってる。見た目は変わってないけど、中身が全然違うみたい。4人がかりで体当たりしてもダメだった。携帯の電波も入らない。」
「そんな...」
「それと自分の首、触ってみて」
言われるがままに触ってみると違和感がある。首を一周するようになにかついているようだ。美彩の首を見ると、銀色の細い首輪がついていた。
「みんなの首にこれがついてるみたい」
得体の知れないものが首についているとしり、背筋が寒くなる。
「あと、黒板を見て」
言われて見てみると大きな字で 12時まで待て と書いてある。その脇にある時計を見てみると11時45分を指そうとしているところだった。突然色々な情報が入りすぎて頭がくらくらする。
「私が目覚めたのは10:30頃で、比較的早い方だったんだけどその時は大変だった。ドアを破ろうとしたり、破れないと分かってパニックになったり。でも玲香とか若月がみんなを落ち着かせてくれたんだ、とりあえず12時まで待とうって。万が一夜になっても全員が帰れなかったら親たちが絶対に気付いて警察を呼んでくれるからって。それで私もやっと落ち着いて、隣でぐーすか寝てる七瀬に気付いたってわけ」
美彩が最後ににやっとしながら茶化してくれたことで、私の心にも少しだけゆとりが生まれた。周りを見渡してみると、やはりこれから何が起こるか不安なようでその話ばかりしているみたいだ。
「美彩はこれから何が起こるんだと思う?」
「さぁ...なるようになるしかないんじゃない?」
美彩はいつも同級生とは思えないくらい落ち着いている。さっき自分は取り乱していた、と言っていたのも信じられないくらいの落ち着きようだ。
美彩にこれ以上問いかけても反応は得られそうにないので、あとは12時まで自分で思考をまとめる時間にあてることにする。
(改造されたドア、首輪、異臭は催眠ガス?あとは異常な数のカメラ...)
考えがまとまるどころか疑問ばかり増えていく。そんな中、校内放送のスピーカーの電源が入る音がして、みんなの視線がスピーカーに集まる。12時だ。